2.見つかった犯人

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「もう、 このへんでいいでしょう、 記者の皆さん」 那須刑事部長は落ち着き払い、 しかし、 密かに 越智矢一郎の様子を窺いながら締めに入った。 「彼女はOLとして、 そして女として人生に絶望し、 気づいたときには一人、 八丈島行きの船に乗っていたのです。 島に着き、 投宿して始めて彼女は我に返り、 そして気づいた。 財布の中に、 1円も残っていないことに」 那須刑事部長の話を必死でメモる記者達。 「そして、 無一文の彼女は書いたのです、 <誰か助けて!>」 事件の真相を語り終え記者を見渡す。 再び、 フラッシュの雨。 週刊真実から受けた屈辱を晴らした瞬間。 どこの馬の骨ともわからぬ投稿サイトの 懸賞小説のテーマなどと、 根も葉もない記事で 俺をコケにした越智矢もこれでお終いだ!
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