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「もう、
このへんでいいでしょう、
記者の皆さん」
那須刑事部長は落ち着き払い、
しかし、
密かに
越智矢一郎の様子を窺いながら締めに入った。
「彼女はOLとして、
そして女として人生に絶望し、
気づいたときには一人、
八丈島行きの船に乗っていたのです。
島に着き、
投宿して始めて彼女は我に返り、
そして気づいた。
財布の中に、
1円も残っていないことに」
那須刑事部長の話を必死でメモる記者達。
「そして、
無一文の彼女は書いたのです、
<誰か助けて!>」
事件の真相を語り終え記者を見渡す。
再び、
フラッシュの雨。
週刊真実から受けた屈辱を晴らした瞬間。
どこの馬の骨ともわからぬ投稿サイトの
懸賞小説のテーマなどと、
根も葉もない記事で
俺をコケにした越智矢もこれでお終いだ!
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