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記者団から発せられた幾つもの問いに、
那須刑事部長がよどみなく応え終えた時、
予定の会見時間はとうに過ぎていた。
「もう他にはありませんね?」
会見の場を仕切る司会者の声。
手を上げる記者が、
まだ一人いた。
「週刊真実の、
越智矢です」
那須刑事部長は目を剥いた。
示し合わせたとおりに越智矢は奈津子に合図を送る。
奈津子はその瞬間をカメラに収めた。
「一つお尋ねします。
今しがたの説明では、
宿の<想い出ノート>のページが破られていた、
その
理由が判りません。
それが明らかにされもしないのに、
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