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再び訪れた静寂。私は1人、ぽつりと部屋の真ん中にいる。
ともかく、動かないと。私は部屋を出て、温かいココアをつくる。少しでも気持ちが落ち着くように。ココアの甘い香りが広がった。
とにかく歯を磨き、眠れそうにないのでFacebookを開く。いつもと同じネットの世界。親しい友人たちに、守の死を報告した。
まだ起きていたらしい、幼馴染の燿子が「悲しいね」を押したらしい。通知が届いた。
直後、夜中だというのに電話がかかってきた。
「紘子、大丈夫? つらかったよね。眠れないんじゃない?」
「燿子……ありがとう。とりあえず今は大丈夫。でも、明日、泊まりに行っていい?」
私は燿子に甘えることにした。少しだけ、気持ちが軽くなる。
「いいよ! 1週間くらい泊まる? 紘子がそれで元気になるなら、私、つき合うよ!」
持つべきものは友だちだな、と思う。
「ありがとう。たぶん、大丈夫。ごめんね、こんな時間に電話つき合わせちゃって」
「気にしないって、私がかけたんだし。大切な紘子が苦しんでるのに、放っておけないよ」
燿子の言葉に、私は感謝の涙を流していた。
「ありがとう。ごめんね、おやすみ」
「うん。おやすみ。また明日ね」
燿子がまた明日ね、と言う。今度こそ、私も本当に会える「またね」を告げて、電話を切った。
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