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ツ、服屋の前で立ち止まる
ツ「お、なんだこの店。あ、閉店するんだ。閉店セール……全品半額セール! すげえな! ちょっと覗いていくか」
ツ、ドアを開けるジェスチャ
ボ「いらっしゃいまー↑せー↓」
ツ「何だそのイントネーション」
ボ「いらっしゃいまー↑せー↓」
ツ「あ、どうも。オモテの看板見たんだけど閉店するんすか」
ボ「そうなんですよー。店長が急にやめるっていい出して」
ツ「え!辞めるって?」
ボ「急にイタリアいくって」
ツ「あ、なんかファッションの修行でですか」
ボ「いやパスタ食べに」
ツ「パスタ食べに!」
ボ「そう」
ツ「いや、そんなん近くのパスタ屋行けばいいじゃないですか。あるでしょ、そこに。カプリチョーザ」
ボ「いや、僕らも言ったんですけどね。一度言い出すと聞かないから」
ツ「いやいや。そんなんで閉店されても店員さんも困るでしょ」
ボ「まあ、可愛い子には旅をさせよって言うしね」
ツ「うん……いや、立ち位置がよくわかんないですけど。パスタ食べに行くだけですよね?」
ボ「そういうわけで今週いっぱいで閉店です」
ツ「いやいやいやww、店員さんたちはそれで納得してるんですか?」
ボ「チャレンジって、いくつになってもやっていいと思うんですよ。だから皆で応援してあげようって」
ツ「モチベーションが全然わかんねえ」
ボ「で、お冷やかしですか?」
ツ「お冷やかし? いや、丁寧に言うことじゃないでしょそれ」
ボ「あ、何かお探しで?」
ツ「お探しですよ。いや、半額なら掘り出し物があるかなって思って」
ボ「ありますよ。例えばどのようなものお探しですか?」
ツ「あー、シャツ新しいのほしいなと思ってたんだけどさ。ある?」
ボ「シャツですね!えーとこちらなんですが……」
ボ、シャツの吊るしてあるゾーンに移動して一着を選び出す
ボ「あ、これなんかどうでしょ?」
ボ、大きく胸に「G」と書いてあるシャツを取り出す
ツ「G!いや、まあまあいいけど、でかいな……」
ボ「そうですか?」
ボ、シャツをツッコミの体に合わせようとする
ツ「いや、Gの文字がよ。あまりにもでかくない?」
ボ「あ、これちゃんと理由があるんですよ」
ツ「あ、そうなの? 何?」
ボ「うちの店長がジャイアンツのファンで、作ったんです」
ツ「勝手に!? いや、作っちゃだめでしょ。てかジャイアンツ感全然ないじゃない」
ボ「他のバージョンもあるんですよ」
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