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ツ「あ、もうちょっと小さいとか?」
ボ、胸に大きく「じー」と書かれたシャツを取り出す。
ツ「じー! ひらがな!」
ボ「どうでしょ?」
ツ「いや、どうだろこれは。なんか見つめてるみたいな感じだねこれ」
ボ「怖い話ですか?」
ツ「怖い話じゃねえよ。じーって効果音みたいじゃない」
ボ「効果音シャツに描いてどうするんですか」
ツ「俺に聞くなよ! 他ないの?」
ボ、爺と書かれたシャツを取り出す
ツ「爺! 意味かわちゃってんじゃない! いいよもう! 他の無いの?」
ボ「他のですか?」
ボ、爺のシャツをクルッと回し裏側の「自慰」という文字を見せる
ツ「ちょちょちょちょ、ちょっとまって」
ツ、シャツを奪い取る
ツ「着るやつ居るのこれ」
ボ「あ、お買上げで」
ツ「買わねえよ! 何このシャツ」
ボ「爺さんを裏返すと自慰って書いてあるシャツです」
ツ「見たまんまじゃねえか。なんだそれ。いや、こういうんじゃなくてさ。なんかもうちょっと洒落たの無いの」
ボ「あ、これなんかどうでしょ」
ボ、シャツにシャツと書かれたシャツを取り出す
ツ「なにこれ」
ボ「シャツです」
ツ「見れば解るよ」
ボ「親切かなって」
ツ「親切っていう範疇のことなのこれ。いや、洒落たのをって言ってるのよ?」
ボ「お気に召さないですかね?」
ツ「召さなすぎてびっくりしてるよ」
ボ「これも別バージョンあるんですよ」
ツ「いや、これはいいよ別バージョンとか見せられても」
ボ、シャツに「ツャシ」と書かれたシャツを取り出す
ツ「さっきと同じじゃない…………なんか違う?」
ボ「ツャシです」
ツ「ツャシって書いてある!なにこの間違い探しみたいの」
ボ「洒落てるでしょ」
ツ「いや、これを洒落てるってことにしていいのかどうかの判定は俺には無理だわ」
ボ「だめですか?」
ツ「だめっていうか、俺の判定外だわ。あーいいわ。あの、ジャケット。ジャケットも探してるのよ」
ボ「ジャケットはですね。いいのあるんですよ」
ツ「ジャケットは、ってなんだよ。シャツはだめってことじゃねえか」
ボ「ええ」
ツ「ええ。って言うなよ。勧めんなよ」
ボ「まあ売れ残りですから」
ツ「ぶっちゃけ過ぎだって。夢も希望もねえな」
ボ「あのクソ店長に義理立てする必要もないですからね」(笑顔で)
ツ「さっき、応援してあげたいとか言ってなかったっけ?」
ボ「ジャケットこちらですねー。これどうでしょ」
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