第1章

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確かに、僕は拾われた身だ。 「せやからな、おまえの力不足はおまえのせいとちゃうねんで?」 だからと言って、どうしてこんなにくどくどと説教を聞かされなきゃいけないんだろう。 「まあ、手作りもんには憑きやすいわな。けど、また、えっろう不細工なもんに憑いて!」 「不細工って言わないでください!彼女は、精一杯の気持ちを込めて作ったんです!」 「そう熱くなるなや。なんや知らんが、あの巨大鼻くそチョコ、味見の一つもしたんかいな。」 「品がなさすぎる!トリュフチョコって言うんですよ!恋する少女の手作り品に、なんてこと!」 「その手作り、ゴミ箱に叩っ込んで、梅ヶ枝餅やけ食いしてはるやないの。」 妙な方言が入り交じる。 そんな会話を交わしている僕らは、あるお茶屋さんのテーブルの上にちまっと体育座りしているわけであって。 目の前には、10個注文した梅ヶ枝餅を、泣きながらお茶とともに飲み込んでいく女の子がいた。
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