第1章

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チョコの精の僕と、日本のローカルな神社の名物の焼き餅に憑いた妖精が、どうしてお茶屋さんのテーブルで語り合っているかと言うと。 「彼女、失恋しちゃったんですよ。優しく見守りましょうよ。」 19才地元の大学教育学部眼鏡がキュートで歯並びがイマイチな彼女は、本日高校生の頃から付き合っていた彼氏にフラれた。 19才東京の大学で都会に染まっちゃった彼氏は、新生活でどうやら新しい彼女が出来てしまったらしい。 今回の帰省はかの有名な恋愛イベントの2週間前。 直接渡せるチャンスは今日しかないとチョコを手作りして待ち合わせた太宰府天満宮の真ん前で。 彼女は、彼氏から別れを切り出されてしまった。 「そらぁ、遠距離恋愛の典型的破局っちゅーやつやな。彼氏、ええ奴やないけ。」 「どこが!」 「今は会わんでも携帯だかメールだかで別れ話を切り出される世の中やで?それを、わざわざ遠い距離帰ってきて、包み隠さず全部話して謝罪して別れてくれっちゅーたんやろ?誠意や、誠意!」 「ええー?そうですかぁ?」 若いんや、都会の魔力で普通の顔も美人に見えて下半身が寄ってくわと、非常に下品な言葉を付け足されてしまった。
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