第1章

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手作りしてきたチョコは、行き場所をなくし。 境内に設置されたゴミ箱に投げ込まれた。 「おま・・・っ!失礼ぶっこいとる奴っちゃなー!おまえが入れられたんは、古くなった御守りをお炊き上げするところやで。」 「待って!この子、チョコをそんなところに捨てたの!?僕、焼かれちゃうんですか!てか、先にゴミ箱って言ったのあなたですよね!?」 「いやぁ、分別されて改めてゴミ箱やろうけど、がさつな新米神主やったら面倒くそうてそのまんま火ぃにくべられるかもしれんな。」 やけになった彼女の手によって捨てられた僕は、食べられもせずに誰の口にも入らなかった気の毒なチョコの精。 投げ捨てられてぐったりした僕を助け出してくれたのは、この妖精さんなわけだが。 だが! 4個目の梅ヶ枝餅に手を伸ばした彼女のテーブルに、連れてこられるなんて! いくら彼女から見えないからって! 20センチそこそこの自分達が見上げていると知ったら、彼女、餅を喉に詰まらせちゃうんだろうなあ。
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