第1章

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「もっとも、天神さまは学問の神様であって、恋結びや縁結びとちゃうからのー!がっはっは!」 待て待て待て!何、その無責任発言! 振り返った僕の目に、妖精さんの取り憑いた梅ヶ枝餅が彼女の口に消えていくのが映った・・・ それから1年。 またチョコレートに愛を込める季節。 僕は、小柄でショートカット鼻がちょっと低い20歳女子大学生の手作りチョコに憑いていた。 この彼女もまた、手作りチョコ(なんというか、歯が欠けそうな代物だが)を作って、太宰府天満宮まで来ていた。 あの妖精さん、今も元気に梅ヶ枝餅に憑いているだろうか。 ああ、彼女の彼氏が・・・彼氏・・・うん!? 何で女の子連れなんだ!? しかも、彼女、去年僕が憑いていたチョコの持ち主、彼氏にフラれて梅ヶ枝餅10個やけ食いした女の子じゃないか! え、何?この子と付き合うことにしたから、君とは付き合えないって? え?え?ええええええ!?
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