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さっきの坂上という女子で、教室に来たのだけで7人目だ。
でもいざ秋哉が目の前に立つと、みんな逃げていってしまう。
テッペーの忠告のお陰でピリピリした空気を出しているのには自覚があるが、それでも秋哉は、見知らぬ女をいきなり殴ったりなんかしない。
それなのに女たちはみんな、秋哉の顔をみるなり、草食動物のウサギのように飛び跳ねて逃げていってしまうのだ。
「……」
そんなに噛み付きそう顔をしているのだろうか。
秋哉はちょっと落ち込んでいる。
テッペーは、前の机の椅子を勝手に引っ張り出して来て、それを跨ぐように腰掛けながら、
「まあねえ、最近は油断させるために、女の子をメッセンジャーに使うって手もあるから。逃げ出すってことは、どこか後ろめたいんじゃないかな」
しゃあしゃあと言う。
秋哉は、
「ふうん。女使って呼び出すなんて、タチの悪ぃやつらもいるもんだな。そんなメンドクセー手をつかわずに、正々堂々、やって来いっつーの」
ぶつくさ言って、
「あー辛気くせぇ。ぱーっとケンカしてーなぁ」
パタリと机に突っ伏した。
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