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1970年代、まだパソコンもネットもスマホもなかった時代、遠距離恋愛は非常に厳しいものだった。
駅前の広場で待ち合わせ場所として利用されている樟の大木がある。
今、その大木の前で向かい合う高校の制服姿の男女。
親の転勤で遠くの高校へ転校する直樹と交際を続けてきた瞳が別れの時を迎えようとしていた。
「これでお別れだけど、直樹、転校先でもモテると思うよ」
「そんなことないって」
「私のことは早く忘れて新しい彼女見つけてね、約束だよ」
「でも、手紙送ってもいい?」
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