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「あれ、なんだか…… 背伸びてない?」
「そんな訳ないだろ。もう四捨五入したら三十歳だぞ、オレも」
「うわ、そーなんだ。歳取ったね。オッサンだ」
「いや、同い年だから。そっちもオバハンだろ」
「むー 私はいいの。年取らないから」
マスターが席にやってきて「いらっしゃい」と低く響く声で彼女に告げる。
いや、おかしいだろ。いま来たのはオレだよ、マスター。
「きたきた! 美味しいんだよね、ここのクラブハウスサンド」
「いや、これ、オレのだから」
「男のくせに細かいなぁ。じゃ、コレと交換してあげるから」
「もう四分の一しか残ってないだろ、このホットドッグ」
「いっただきまーす」
満面の笑みでオレのクラブハウスサンドを頬張る彼女。鼻の頭にさっそくソースつけてるし。
相変わらず、惚れ惚れする食いっぷりだ。女にしとくには勿体無い。
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