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01
「今朝の12星座占い見て思ったんですけど、昔一回13星座だったことがあったらしいですね」
「おー、よく知ってるね。今の12星座に加えてへびつかい座っていうのがあったんだよ」
「へー」
「ちなみに13星座占いだと僕へびつかい座なんだよね」
「マジですか!?なんか羨ましいなぁ」
放課後、天文学部の部室で僕は部の後輩、瓶原 美奈萌(カメハラ ミナモ)と他愛ない会話をしていた。来月に文化祭に備えてそろそろ部員で集まって企画を考えたいところなのだが、うちの部員僕とカメ子と部長以外は兼部しているものが多いのでなかなか全員が集まることが難しい。ちなみに今いない部長はただのサボりである。
「しかし、今年はカメ子が入部してくれて助かったよ。去年は俺以外こうして部活に毎日来る人なんていなかったからさ」
「いやいやー。仲いい子がみんな運動部なので、部活が終わるまでここで時間潰してるだけですよー」
「いやちゃんと部活動しなさいよ…」
カメ子の言い草に思わずため息が出る。
「だって普段何してるって言ったら部室で星座の本とか読んでるだけじゃないですかー。そりゃ先輩方も来ないわけですよ」
「ウッ・・・」
確かにカメ子の指摘はごもっともだ。昔は夜に学校に集まって屋上で星を眺めたりしたらしいが、夜中に女子生徒が屋上から飛び降り自殺するという事件があって以降できなくなってしまった。
「しょうがないよ、飛び降り自殺なんてあったんだから。」
「それって本当なんですかねぇ?』
カメ子は首をかしげて言った。
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