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02
部室の鍵を職員室に返しに行くと、天文学部の顧問であり僕のクラスの担任の明智ヒナタ先生がプリントのコピーをしているのを見かけた。
「天川じゃないか。今から帰りか?」
「はい。あ、これ、部室の鍵です」
「おう、ご苦労さん」
ヒナタ先生はとても親しみやすい人柄で生徒に人気がある。僕自身、他の先生より話しかけやすく学校で顔を合わせると気さくに話しかけてくれるのでこの人が担任でなおかつ天文学部の顧問で本当に良かったと思う。
「今日も瓶原と二人きりだったのか?あんな可愛い子を独り占めできるなんて、瓶原と同学年の男子が聞いたら羨ましがるぞ??」
「いやいや、僕にとってはただのチンチクリンの後輩ですから。やましいことなんてありませんよ」
カメ子が入部してきてからだいぶ経つがほとんど二人で部活動をすることが多い。何度か休日に一緒にプラネタリウムを見に行ったことがあるが特に異性として意識したことはない。
「・・・頑張れ瓶原。先生応援してるからな」
「え?」
「いや何でもない。そういや天川、ビッグニュースだぞ。明日お前のクラスに転校生が来る」
「へー」
「しかも女子」
「詳しくお願いします」
ーちなみに言っておくが僕は女子に興味がないわけではない。むしろ大好きだ。
「そりゃもう結構な美人さんらしいぞ」
「写真とかないんですか?」
「お前すげぇグイグイくるな・・・。まぁまぁ、明日のお楽しみってやつだ。期待しとけ」
ムゥ。はぐらかされてしまった。
「お、もうこんな時間だ。そろそろ帰ったらどうだ?」
「そうですね。じゃあ先生、さようなら」
「おう、また明日な」
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