1 日々

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ヒナタ先生に「失礼します」と言って頭を下げ職員室のドアを開けた。 するとそこにはとんでもなく不機嫌な顔をしたカメ子が仁王立ちをして待ち受けていた。 「・・・・・」 どうした、先に帰ったんじゃないのかと聞こうとするよりも先にカメ子が口を開いた。 「転校生、来るそうですね。それも美人さん」 「ん、聞いてたの?」 「えぇ、そりゃもう。ついでに言うならケイ先輩が私のことをチンチクリンと言ってた件も、ね」 「ひぇっ」 思わず変な声が出た。 「すいませんねぇチンチクリンで。あぁー、ショックだなぁ。ケイ先輩が私のことそんな風に思ってたなんてなぁ」 「・・・お詫びにたい焼き奢るよ」 「え?」 「奢らせていただきます』 「よろしい」 ちなみに何故たい焼きかというと、学校の最寄り駅の近くにうまいたい焼き屋さんがあり、その店のたい焼きが瓶原の大好物だからだ。 「それじゃあ行きましょうか」 「え、今日?友達は?」 「今日は部活が長引くみたいで、先に帰っちゃって良いみたいです」 「そっか。じゃあ一緒に帰ろうか」 「ええ、たい焼きはこしあんでお願いしますね」 「はいはい」 この後カメ子とたい焼きを食べなから帰った。転校生の話や文化祭の話、他にも他愛ない話で笑ったりしながら。 その時の僕は、思いもしなかった。 ーこの可愛い後輩と殺しあう未来がくるなんて
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