第1章

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「変態教師がまた見ているよ。 サッサと首になればよいのに」 職員室の窓から校庭を見渡している教師を、一緒に昼食を取っていた友人が目敏く見つけ、教師の悪口を言う。 「噂だけどさ、スニーカーの神様の正体ってあいつらしいぜ。 って、あんた! 全然驚かないのね? そういえば、あの教師があんたを見ても、あんた嫌がらないけど如何して?」 「だってあの先生のこと昔から知っているのだもの」 「昔から知っているって? 如何いう事よ?」 「私のお婆ちゃんが先生の実家で、メイド長をしているから知っているの。 小学校低学年の頃まで偶にお屋敷に連れて行ってもらって、先生に遊んでもらった事もあるから」 「メイド長って!? あいつの実家そんなに金持ちなのか? 良い車に乗っているから、金持ちだっていうのはなんとなく分かっていたけど」 「久手財閥って知っている?」 「久手財閥だって!? この国で知らない奴なんていないだろう。 日本で1番、世界で5本の指に入る財閥じゃないか」 「うん、其処が先生の実家」 「ええェェェ――――!! で、で、でも、苗字が違うぜ」 「先生、奥さんの苗字継いでいるから」 「え!? …………………………………… チョ、チョット待て、あいつ結婚しているのか?」 「そうだよ。 詳しく知りたい?」 「ああ、知りたい」 「スニーカーの神様の事を忘れるって、約束してくれるのなら。 お、し、え、て、あ、げ、る」 「忘れる、忘れる。 だから教えて!」 「お婆ちゃんの日記を盗み見して分かった話しだから、質問は無しね。 分かった?」 「うん、分かった」
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