6人が本棚に入れています
本棚に追加
「変態教師がまた見ているよ。
サッサと首になればよいのに」
職員室の窓から校庭を見渡している教師を、一緒に昼食を取っていた友人が目敏く見つけ、教師の悪口を言う。
「噂だけどさ、スニーカーの神様の正体ってあいつらしいぜ。
って、あんた! 全然驚かないのね?
そういえば、あの教師があんたを見ても、あんた嫌がらないけど如何して?」
「だってあの先生のこと昔から知っているのだもの」
「昔から知っているって? 如何いう事よ?」
「私のお婆ちゃんが先生の実家で、メイド長をしているから知っているの。
小学校低学年の頃まで偶にお屋敷に連れて行ってもらって、先生に遊んでもらった事もあるから」
「メイド長って!?
あいつの実家そんなに金持ちなのか?
良い車に乗っているから、金持ちだっていうのはなんとなく分かっていたけど」
「久手財閥って知っている?」
「久手財閥だって!?
この国で知らない奴なんていないだろう。
日本で1番、世界で5本の指に入る財閥じゃないか」
「うん、其処が先生の実家」
「ええェェェ――――!!
で、で、でも、苗字が違うぜ」
「先生、奥さんの苗字継いでいるから」
「え!?
……………………………………
チョ、チョット待て、あいつ結婚しているのか?」
「そうだよ。
詳しく知りたい?」
「ああ、知りたい」
「スニーカーの神様の事を忘れるって、約束してくれるのなら。
お、し、え、て、あ、げ、る」
「忘れる、忘れる。
だから教えて!」
「お婆ちゃんの日記を盗み見して分かった話しだから、質問は無しね。
分かった?」
「うん、分かった」
最初のコメントを投稿しよう!