第1章

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その後も彼女は坊ちゃまを良く見ていてくれ、間違った行動をしようとする度にその行動を訂正してくれる。 坊ちゃまはそんな彼女にべた惚れだった。 大旦那様や旦那様が、彼女が大きくなったら婿を探してやろうなんて言おうものなら、激怒して、彼女は僕のお嫁さんになってもらうのだ! って、叫ぶくらいに。 坊ちゃまが中学1年にお成になり、娘さんが高校1年になって半年、娘さんが心無い男達に乱暴された。 乱暴し謝罪もまともに行わない男達に、警察でキャリアとして働いておられる上のお嬢様を始めとして、久手家の者全員が激怒。 久手家の財力に物を言わせ、男達は全員無期懲役で刑務所に送られた。 大旦那様があいつらを二度と外に出すな! と、仰っておられたから、あの男達が刑務所から出て来ることは金輪際無いわね。 娘さんは病院に入院して身体に負った傷は治したけど、心にも傷を負っていて、男性が近寄ることを激しく拒否。 坊ちゃまに対しても同じ反応を示す。 坊ちゃまの落ち込みようは、見ていられないくらいだった。 半年ほど落ち込んでおられたが、何か意を決したように立ち直り、合気道を習い始める。 私はその理由をお聞きした、すると坊ちゃまは、大事な人を守れる男になりたいのだと話してくださった。
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