1人が本棚に入れています
本棚に追加
「もーえーぎーちゃーん!もうすぐあの季節だね!」
真っ暗な部屋で、黒づくめの少年が実に栄養のバランスのとれた和定食を手に現れた。
「……もう、夕御飯の時間か……今日は?」
「えっと、ほうれん草のおひたし、大根のみそ汁、豆腐ハンバーグと鰯の塩焼き、大根菜としらすの混ぜご飯だよ!」
「うまそうだな……いただきます」
「どうぞ、召し上がれぇー……じゃなくて!もうすぐあの日じゃん?」
「…なんだ、お前ジョシだったのか?」
「そうなんだよなぁ、もうすぐお月の……ってちがーう!てか、俺が女じゃないって萌黄がいちばんしってるでしょーが!」
「煩いから叫ぶな…で、何がいいたいんだ?」
少女は用意された夕食を食べながら睨む。
「…もういいよ、萌黄に女のコ期待した俺が間違いやだった……ゆっくり噛んで食べてね」
むすーっと頬を膨らませた彼は、部屋の片隅で体育座りをした。
最初のコメントを投稿しよう!