第1章 始まり

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「もしかして、自分が飛ばされたとかかな?」  そして、テントのあった場所から見えた緑色のある地平線を見てみる。しかし、確認する前に黄金のような黄緑色の草原に圧倒されてしまった。昨日も見たはずなのに。思わず後ろを見てみると朝日が昇っていた。これは、朝焼けか。なら、圧倒されてそちらに興味を持ってしまうのも無理は無かった。  日本では絶対に見られないような絶景をずっと見ていたくなるような気持ちを抑えて地平線の向こうを見てみると、自分の記憶と一致する赤がかっている緑が見えた。 「ちゃんとあるな。ということは、自分は飛ばされていない? あーもう、いいや。こんなの考えてたら朝なのに日が暮れてしまう。とりあえず、歩こう」  と、思い立った矢先、ステータスが出しっぱなしなことに気づく。すると、魔力の所に変化が有るのに気づいた。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 名前 平和 要 種族:人族ホモ・サピエンス 年齢:16 職業:平和導師 lv.1 体力:14/14 魔力:12/12??0.1/h 筋力:14 防御:12 魔功:12 魔防:12 俊敏:12 器用:12 SP:鑑定lv.1[97/100],家生成lv.1[67/100],テイクオーバー、不老 スキル:異世界総言語、長剣術lv.2[47/400]? 称号:平和導師の証、異世界人 経験値:768/1000?PP:1?     閉じる  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「あ、不思議マークが0.1減ってる。これ、細かすぎないか? こんなの覚えてられるか」 『分からない』のオンパレードに嫌気がさしてきた。でも、しょうがないだろう。新しいものに分からないはつきものだ。ステータスだけを消して、そう考えることにした。 草だけが生えている道を歩いていくこと~約10分~  その間、俺は口笛を吹いたりしていながら散歩を楽しんでいた。異世界と言えども、この天気にこの快適な温度は思わずスキップをしてしまうほど心地が良い。こんな平和な世界に、どうして平和導師なんて必要なんだよ。思わずそう感じてしまうほどに。  俺は、あるものに歩きながら視線をちらちらと向けていた。それはくじ引きである。やっぱり気になる。とても気になってしまう。そして、歩いていた足を決心して止めた。
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