第2滅「ようこそ僕の家へ」

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…なに?…そうだったの?…でも逆効果だよ… 寿命数百年は縮んだよ…死ぬ程怖かったもん。 …桜梨はドン引きしながら、内心悪霊にツッコミを入れた。 『実は…俺の妻は妊娠中だったんだが…無理して大食い大会に出ていて…食べ物が詰まって死んじまったんだ…』 悪霊は泣きそうな顔をして、切なそうに打ち明ける。 …妊婦なのに…無理して出るからだよ!! 食べ物詰まって死ぬなんて…なんで出たのっ!? 赤ちゃんに謝って奥さんっ!! そんなエピソードを聞いて、桜梨は衝撃を受けてツッコミを入れる。 『それを聞いた俺は…料理中に慌ていたから…包丁の手元が狂って…滑った拍子に…包丁か心臓に突き刺さって死んじまったんだ…』 苦笑いして悪霊は死因も話した。 「あれ…?事故死?…自殺じゃなくて?」 苺から聞いた話と違うので、桜梨はキョトンとして悪霊に言う。 『自殺?…してねぇけど…』 桜梨に言われ、悪霊も目が点になる。 「僕が聞いた話では…」 桜梨は悪霊に苺から聞いた話を話し出した。 [良いか?あの日本食のレストランは…五年前、借金で頭がおかしくなったシェフが…妊婦を刺し殺して自分も首を吊って自殺したんだ] [それから悪霊になって…廃墟マニアや、心霊スポットを突撃した奴等を何人も道連れに殺しているらしい…] 生前、苺は身振り、手振りを交えながら料理中に風呂上がりの桜梨に話して聞かせた。 「って…知り合いから聞きました」 キョトンとしながら、桜梨は悪霊に教えた。 『何だよそれ…有り得ねぇ…話に尾ひれ付き過ぎだ…』 溜め息をついて悪霊は桜梨に言うと座り込む。 「じゃあ…本当に悪霊じゃないんですか?」 座り込んだ悪霊に、桜梨は恐々近付いて尋ねた。 『死んでも…妻はあっさり腹の子と成仏したが…俺は料理人として…志半ばで死んじまったから成仏したくても出来ないんだ…』 『もっと…料理を作りたかったし…子供を育てたかった…成人して結婚して幸せになるのも見届けたかったんだ…』 泣きそうな声で悪霊は訴える。
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