第2滅「ようこそ僕の家へ」

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だが、桜梨と青年は気付いてなかった…物陰で見てた二人の男子高校生の幽霊の事を… 『幽霊が実体化した…あんな珍妙な力があるなんて…随分面白い力だね』 笑って少年は呟く。 『間違いない。あいつが…俺達がずっと探している奴の生まれ変わりだな…』 隣の少年が頷くと腕を組んだ。 『慎也達にはまだ伝えないで置こう。もう少し泳がせて起きたいしね。居場所を確認して…動向を見極めてからでも遅くないでしょ?』 『…それもそうだな。奴は中学生…無闇に怖がらせたくはない。穏便に再会も果たしたいしな』 少年の言葉に、隣の少年も頷いた。 桜梨と青年が歩き出すと、二人も消え失せ後を追い掛けるのだった。 『桜梨…遅いね』 『そうだな…』 苺と杏は、一緒に蟻の行列を数えながら話す。 『まさか…家出したまま帰って来ないとか?』 『それは無い。キチンな桜梨の事だぞ?それだけの度胸は無い』 苺に聞かれ、杏は目を細めて否定した。 「苺お兄さーん!!杏お兄さーん!!」 タッタッタッ 『『桜梨っ!?』』 桜梨の声が聞こえ、嬉しくなり苺と杏は振り返るが… ……なんか変な度胸着いた!? …後ろから不審者がっ!! 桜梨の後ろから走る青年を見て、苺と杏は衝撃を受けた。 『桜梨っ!?不審者連れて来ちゃ駄目だろうっ!?早く警察に連絡しな!!』 『如何にも怪しさ満点だっ!!連絡している間、こいつに金縛り掛けて足留めしておくぞ!!』 桜梨が駆け寄ると、苺と杏は息を切らせながら叫ぶ。 …不審者…俺がか?… 呆れた顔をして青年は冷や汗を掻いた。 「違います、この方は…僕の家に同居する事になった幽霊さんです」 『はあ!?同居だって!?しかも幽霊!?意味わからないぜ!!』 『嘘をつくならマシな嘘をつけ。何処からどう見ても生身の人間だろ』 桜梨が説明しても、苺と杏は信じようとしない。 「嘘じゃねえよ」 スッ 青年は二人に言うと、一瞬で半透明な幽霊の姿に変わった。 『『!?』』 びっくりして苺と杏は目を見開く。
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