16人が本棚に入れています
本棚に追加
「洋食のデザートとかも作れる?」
苺はウキウキしながら青年に尋ねる。
『若い頃は、三ツ星ホテルでシェフやってたしな。勿論、和・洋・中は完璧だぜ!!』
得意気に青年は鼻を鳴らした。
「やったー!!じゃあ宜しく!!」
ノリノリで苺は満足そうに喜ぶ。
「ちいっ、この甘味大魔人が…」
「何か言った?」
「別に」
杏は舌打ちし、苺は目を細め杏に聞き、めんどくさそうに杏は顔を背けた。
「俺は長峰凌!!享年28だ!!宜しくな!!」
「辻岡杏。享年18だ」
「はいはい!!俺は清水苺!!享年18だよ!!」
「僕は乱咲桜梨と申します。ようこそ、僕の家へ」
和気藹々と四人は自己紹介をして、家に入って行くのだった。
『家は此処か…廃神社兼住宅…廃墟に見えたが…人が住んでるんだな…』
少年は、四人の後ろ姿を見詰め頷く。
『慎也達に伝えましょう。あの人を見付けたとね…今日は賑やかな夜になりますよ』
『我が四天王の吉田稔麿が…新撰組の沖田と原田と共に…あの人を独り占めにしているとね…これは由々しき事態です』
静かに怒りを堪えながら、隣の少年は冷たい眼差しを杏の後ろ姿に向ける。
『…慎也は荒れるな…』
頭痛を感じながら、少年は溜め息をつく。
そして二人は一瞬で消え去った。
最初のコメントを投稿しよう!