第3滅「最強魔王降臨せん」

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「幽霊でも、スイーツは別腹なんだよ。美味しい物は食べる。それがスイーツ好きのモットーなんだ」 キラキラ目を輝かせ、苺は杏に開き直った。 「勝手に言ってろ」 呆れた顔をして、杏は洗濯室に向かって行く。 凌は皿洗い中で、桜梨は凌の手伝いをしており… 茶の間から二人の後ろ姿が見える。 ……あの凌って人…前世で見たことあるんだよねぇ…すっごく今更な気がするけど… …新八さんと、平助と…トリオでつるんでて… …槍振り回して大暴れする…天然なでかぶつ… 土方さんの次に常識人だけど、運が悪い人…極めつけはお腹の傷… …でも、まさかな?いくらなんでもね? 冷や汗を掻いて思うと、苺は気のせいだと思う事にした。 「皿洗い手伝ってくれてありがとうな」 「いえ…でも…なんか嬉しいです」 凌が笑顔で礼を言うと、桜梨は照れ臭そうに顔を赤らめ… 「五年前に…家族が亡くなって…ずっと僕一人でしたから…お父さんの手伝いをしている見たいで…とても懐かしくて…」 桜梨は苦笑して凌に答えた。 「俺も…子供が生まれる前に妻と子を亡くして…ついでに俺も早く死んじまったから…」 「息子が居たらこんな感じかなって思えて…今、すっごく嬉しいんだ」 太陽のように笑って凌も桜梨に言った。 「凌さん…」 凌の言葉を聞いて桜梨は涙ぐむと… …苺お兄さんや、杏お兄さんなら怒られるかも知れないけど… …凌さんなら…きっと大丈夫かも知れない…隠している本当の事を言おう… 桜梨は決心すると凌を見詰める。 「ん?」 桜梨が見詰めるので、凌はキョトンとし… 「実は…凌さんにだけ秘密の話があります」 桜梨は凌に言うと、凌の耳元で囁き… 「っ!?…嘘…だろ?五年間も?」 凌はびっくりして目を丸くして… 「気配は感じても…姿を見せてくれないんです」 泣きそうな顔をして桜梨は凌に言う。
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