第3滅「最強魔王降臨せん」

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「でも…いくらなんでも…おかしいだろ…家族なのに…霊感があるから、気配を知られているのも分かっている筈だぜ」 困惑を隠せない凌は冷や汗を掻き… 「お母さんやお爺ちゃん、お婆ちゃんは…成仏していると思います。…でも…お父さんだけが…」 下に俯くと、桜梨は涙目になる。 「…桜梨…分かった。苺や杏に気付かれないように…俺が部屋に行って様子を見てきてやるよ。部屋を教えてくれるか?」 優しく桜梨の頭を撫でて尋ねる。 「凌さん…ありがとうございます。お父さんの部屋は…一番奥の突き当たりにある部屋です」 顔を上げると、涙目になりながらも礼を言って桜梨は凌に部屋を教えた。 「突き当たりの部屋な?分かった、買い出しの前に行って見るよ」 凌はニコッと笑って、着ていた割烹着を脱いだ。 「お願いします」 ペコリと桜梨は頭を下げお願いする。 ……何話してるの…?二人で…気になる…気になるけど… …ウーム、此処からじゃ良く聞こえない… 苺は俯せに寝転がり、キッチンを見詰めるが… 二人の会話まで聞こえないので、目を細めた。 同じ頃。 杏は洗濯室に居た。 ゴウン…ゴウン…ゴウン 洗濯機は音を立て左右に揺れている。 「洗濯が終わるまで時間が掛かる。他に桜梨の洗える服でも持って来るか…」 杏が呟いて、動こうとした時だ。 カタンッカタンッ 「…これは…」 後ろから音がして、杏が振り返ると… 桜梨の洗濯物が入った籠が2個置いてあった。 …おかしい…先程までなかったぞ? …凌さんと桜梨はキッチンだし…苺は満腹で寝てる… …じゃあ…この籠は… 「生きている時も、人の気配がして不自然だと思って居たが…もしや…桜梨のおじさん…か?」 杏は顎に手を当て、ポツリと呟く。 パタパタパタパタッ その声が聞こえたのか、洗濯室の扉から慌て遠ざかる足音が聞こえた。
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