16人が本棚に入れています
本棚に追加
『愛の告白?良かったね!!』
『何が愛の告白だ!!』
笑って苺は杏に言い、杏は迷惑そうな顔をして苺に言う。
『愛の告白…そうかも知れん。前世ではお前が死んだ後…俺は亡き妻に出会い添い遂げたが…そうか…初恋だったのか』
ポッと山田は顔を赤らめて納得した。
『『えぇ?!?』』
まさかの山田の発言に、苺と杏はびっくりする。
『っ…山田、俺はお前を高杉の可哀想な苦労人舎弟としか思ってない。現世でも…隣街の高校だから…あまり顔を合わす機会はなかったが…
『お前は高杉の荷物持ち兼パシりだっただろ…しかも終身パシり…言わば便利なパシり…』
『高速のバス事故で死ぬまで…前世でも現世でも、立場は決して変わらなかった』
姿が変わり、杏の姿は長い髪を靡かせ、紺色の着物を着た浪士の姿になった。
『それでも俺に挑むなら挑めば良い。勝てばお前の気持ちに答えてやろう』
杏は優しく笑って山田に答えた。
『…』
開いた口が塞がらない苺はポカーンとする。
『わっ分かった!!お前に振り向いて貰えるように努力する!!』
喜んで山田は杏に返事をした。
『良いの…?』
『その可能性は万に一つも無い』
山田は気付かないが、苺と杏はヒソヒソと小声で話す。
『それともう一つ…高杉さんから言われて…前世で関係を持った鬼の生まれ変わりを探しているんだ』
思い出した様に山田は二人に言う。
『前世で関係を持った鬼…?』
『え…?』
山田の言葉に、苺と杏は目を丸くする。
『確か…久坂さんに書いて貰った似顔絵が…あった!これだ!!』
笑顔で山田は、ポケットから紙を取り出して二人に見せる。
……玄惴…絵心ハンパねぇ!!本当に柔道部のマネージャーだったのかっ!?
…うわああ…あれは明らかに…あの子だよ…
見せられた似顔絵を見て、杏と苺はびっくりする。
最初のコメントを投稿しよう!