第2滅「ようこそ僕の家へ」

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『こいつは、前世で高杉さん達と関係を持った鬼で……久坂さんが現世で生前…駅前の書店で見付けたらしくて…』 『似てるけど、確証が無いから…見掛けたら教えてくれって言ってたぞ。ちなみに、中学生らしいんだ』 胸を張って山田は二人に言った。 …めちゃくちゃヤバイ…あの子…前世でやりまくってたの!? …全員手を出されていたのか…はっ!?もしや先生にも!? ……って事は土方さんとかも…?いや…現世ならともかく…前世なら有り得る… …不潔と言うか不純極まりない…片っ端から手を付けていたとは… 苺と杏は冷や汗を流し、悶々しながら考えを巡らして黙り込む。 『ん?どうしたんだ?』 黙った二人を見て、山田は首を傾けた。 『しっ知らないな…見たこと無いよ…』 …思いっきりあの子の家の前だけどね!! 『バスや電車で通って居る場合もある。他の市や街じゃないか?他県かも知れないぞ?』 …ここは誤魔化すしかない… 苺と杏は、笑顔で山田に答えた。 『そうか…確かにそうかも知れないな。よし、分かった!!高杉さん達にも伝えて置くよ。協力してくれてありがとうな!!』 『高杉さん達に頼まれたお使いもあるから、そんじゃ俺は失礼するぜ!!じゃあな!!』 爽やかな笑顔で山田は二人に礼を言うと、走り去って行った。 『うん、単純馬鹿は扱いやすい。平助みたいに馬鹿で良かった』 『山田は、高杉と同じくらい単細胞だからな。扱うのに困らん』 苺と杏は溜め息をつくと、再び座り込むのだった。 『あっ、蟻の行列発見!!』 キラキラ目を輝かせると、苺は蟻の行列に目を奪われ… 『空は青い…何処までも…』 空を見上げ、杏は目映そうに目を細めた。 場所は戻り…桜梨はと言うと… 「来ないでー!!」 また逃げていた。 今度は山道を全力で。 『待ってくれ!!違うんだ!!』 それまで追い掛けていた悪霊は、疲れた様子で立ち止まると桜梨に叫ぶ。 「え?」 びっくりした桜梨は立ち止まって振り返る。 『追い掛けたのは悪かった。お前、俺が見えるんだろ?…本当は普通に声を掛けたかったんだが…質の悪い不幽霊とか来てたし…繁華街だとお前が変な人に思われる』 『だから…この山道に誘導する為に脅かして追い掛けてたんだ』 幽霊でも疲れるのか、息を切らせながら悪霊は桜梨に訳を話した。
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