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「………お前を餌ではなく、なるべく人として扱ってやる」
「そ──っ…」
扱い方変えるってそれだけ!?
思わずルナは目を見開いた。
ベッドに横になったまま、目を丸くするルナの言葉を塞き止め、グレイは今度は強引に唇を重ねる。
そしてねっとりと舌を絡め甘い息を吐いた。
今日はキスをたくさん受けている気がする。そんなルナの唇は熱を帯始めていた。
「だが勘違いはするな…」
念を押しながらグレイの親指がルナの熱い唇を優しくなぞる。
「多少の自由は与えても…お前が俺の“もの”だと言うことは永遠に変わらない」
グレイの唇から放たれる言葉と熱い吐息がルナの頬に吹きかかる。
いつも聞かされていた捕縛の言葉に胸が疼く。
あんなに嫌で堪らなかったのに、今は耳元で囁かれる低音の響きが甘く苦しい痛みを与える。
勝気で睨み返すだけだったルナの瞳が熱を蓄えたまま揺れ動いていた。
グレイはルナから躰を放すと明るい日差しを受けるルナの肌にシーツをかけた。
「──…っ?」
「……躰が疼いたままか? 欲しいなら今夜お前から俺のところへ来ることだな」
グレイはフッと笑った。
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