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部屋へ来いと挑発してもルナのことだ。意地を張って来ることはなかろう…
ソファに深く身を沈めたまま、グレイは最初から分かっていることと、笑いをこぼした。
今夜はたっぷりと高めてやる。
快楽に溺れるルナの中をじっくりと堪能し、その後に極上の甘い雫を存分に味わうとしよう──
ほんとに久しぶりだ…
熱い唾液が溢れ、グレイの口内を満たす。
「旦那様…」
扉がノックされ、早速、浴室の準備が整ったことをモーリスが告げてくる。
グレイは組んでいた長い脚をほどくと、ソファから優雅な物腰で立ち上がり浴室へ向かった。
ランプの明かりが揺れ動く──
明るい室内でルナは服をひとまとめにすると、ベッドの中に丸めた自分の服を押し込んだ。
「絶対にあんなヤツの部屋になんて行くもんですかっ」
人の姿のように盛り上がったシーツの形を整えると独り言をいいながら、ルナは一番動き易い服に着替え、ランプの明かりを消して自室の扉をこっそりと開けた。
キィと金物の擦れる音が人気のない廊下に響く。
今までは気にも止めていなかった扉の開閉音。その軋む音に心臓がビクリと跳ね上がる勢いだ。
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