第1章 めざめ

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「うむ、アメリカ、オーストラリアの先住民、ヨーロッパは教会がその仕事をしている」 「日本は?」 「日本では鬼人という者が居たはずだ」 「もし、鬼を退治したら彼は生き返る?」 「ああ、5匹の鬼を倒した時、命を司る力を得られるだが目的を達成するまでは二度と戻れないぞ」 「必ず戻ってきます。four clawsと一緒に・・・」 少女の輝く目を見た老人はうなずいて 龍の顔を形どったブロンズ色したナイフを渡した。 ~~~~~ 男が目を覚ましたのは、ワンルームマンションの1階の部屋だった。 西日が当たるその部屋の気温は37度を超えていた。 「ふう、暑い」 男は額の汗をぬぐいながらエアコンのリモコンを探したが壁のどこを見てもエアコンの類は無く足元の片隅にブルーの羽が付いた扇風機が1台有るだけだった。 「扇風機だけか・・・」 男は独り言を言って3つ有るボタンの一番右側を押した。 「ワレワレハは宇宙人だ!あの扇風機欲しいなあ・・・」 男は扇風機に向かって苦笑した。 幾分涼しくなったが体のだるさは消えることなく男はまた眠りに入ろうとしていた。 「暑い!喉が渇いた、アイスクリーム食べたい・・・」 そう言って天井を眺め右の柱の方を見ると 時間はもうすぐ4時を指そうとしていた。 「ところでここはどこだ?」 男はなぜ自分がエアコンも無い殺風景な部屋で寝ているのか? まったく分からなかった。 「だめだ。我慢できない」 男は這って入り口の近くの台所の冷蔵庫を開けた。 「あっ・・・何も無い」 冷蔵庫にはパック入りの信州味噌とドアにはゴマドレッシング しかなかった。 「ふう。ところで、僕は誰だ?」 男は両手で頭を抱え思い出そうとしていた。 1時間前・・・昨日・・・1週間前・・・1ヶ月前頭の中に霞がかかって何も思い出す事が出来なかった。 「くそっ!」 男は18インチのブラウン管テレビを点けると画面砂あらしの画面が映っていた。 「アナログテレビか・・・まったくこの部屋の住人は何をしていたんだろう」
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