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そして、スニーカーの神様が現れるという場所をいくつも訪ね歩き、ついに彼はスニーカーの神様を見つけた。
見た目は浮浪者で足には真新しいスニーカー。
三万円でスニーカーを交換してやろうと噂のままの言動。
彼はほくそ笑み、三万円を渡し、スニーカーを交換して、スニーカーの神様の目の前で交換したスニーカーに特効薬を水滴落とした。
そのまま、走り出すがやたら体が重い。
いつもより遥かに遅いのだ。
「何故だ!」
そう叫んだ横にはスニーカーの神様。
「何かを成し遂げるには努力が必要だ。楽に何かを成し遂げるには対価が必要だ。どちらもせぬお前に神の加護は得られまい……」
男は空を仰ぐ。
スニーカーの神様は、男の足を見て続ける。
「努力するか?対価を払うか?ワシはどちらでもかまわんがな……」
「……努力してやる。変わってやる……」
その言葉にスニーカーの神様は、ふんと鼻を鳴らした。
「まぁ、どっちでもいいが、見守らせてもらおうか……」
男はまた、天を強く見つめるのだった。
前編おわり
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