スニーカーの神様 前編

4/4
前へ
/8ページ
次へ
そして、スニーカーの神様が現れるという場所をいくつも訪ね歩き、ついに彼はスニーカーの神様を見つけた。 見た目は浮浪者で足には真新しいスニーカー。 三万円でスニーカーを交換してやろうと噂のままの言動。 彼はほくそ笑み、三万円を渡し、スニーカーを交換して、スニーカーの神様の目の前で交換したスニーカーに特効薬を水滴落とした。 そのまま、走り出すがやたら体が重い。 いつもより遥かに遅いのだ。 「何故だ!」 そう叫んだ横にはスニーカーの神様。 「何かを成し遂げるには努力が必要だ。楽に何かを成し遂げるには対価が必要だ。どちらもせぬお前に神の加護は得られまい……」 男は空を仰ぐ。 スニーカーの神様は、男の足を見て続ける。 「努力するか?対価を払うか?ワシはどちらでもかまわんがな……」 「……努力してやる。変わってやる……」 その言葉にスニーカーの神様は、ふんと鼻を鳴らした。 「まぁ、どっちでもいいが、見守らせてもらおうか……」 男はまた、天を強く見つめるのだった。 前編おわり
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加