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『ハァ…チュ、ン…チュ…ハァ。ジ、ジェフ』
静まり返ったキャンプシップ内に響く淫靡な水音。互いに強く抱き合いながら、貪るようにしてキスを繰り返す度響き続けている。
『チュ…チュゥ…ハァハァ』
俺をまるで離したくないといわんばかりに後頭部に両手を回し、目を閉じたまま夢中でキスを繰り返してくる。
啄むようにして下唇にキスをした後、唇全体を覆うように貪る大胆なキスも交える。させるがままにさせていたのだが、そろそろ俺も責めたい気分になってきたもんだから、ずっと腰に回していた腕にグッと力をいれて、向こうが逃げられないようしっかりと上半身固定させたところで、こっちから唇ごと、押し返すようにしてキスをしてやる。
『ン!?』
一瞬驚いて小さく目を開こうとするが、そんな僅かな隙すらも与える暇もなく、緩んで僅かばかりに勢いの落ちた相手の唇に舌を滑り込ませる。一気に俺の首に回されている手から力が抜けていき、されるがまま口内と舌を俺の舌で犯され、互いの唾液で艶めかしく濡れそぼっていく。
キャンプシップに戻ってきて不意に始めた行為だが、既にお互い息も荒く、体中高熱に見舞われているかのように熱くなっていて、お互いの吐息ですらも、火傷するかのように熱い。
キスをするたび、脳髄に痺れるような感覚が流れる。体中の熱も上がり、気分も高揚していれば、その感覚も当然のように更なる快感を伴っていく。
今はひたすらに…お互いの唇を食い荒らすかのような、このキスの快楽に浸っていたい。
行為の発端となったのは、ほんの些細なことだった。
事は少しばかり遡る。
久しぶりにペアで任務を遂行することになった俺達は、惑星ナベリウスの未開拓エリアの原生生物掃討を行っていた。
相棒は…そう、フリエラ。【フリエラ・アルバトス】
かつて俺が軍部に所属していた頃のどんな仲間よりも、多くの時間を過ごし、死線を超えてきた…俺の女。
いつもの黒のガードウイングに、少し伸びた柔らかな光沢を放つ金色の髪の毛を束ね、整った顔立ちからは似合わない…身の丈程もある三又のパルチザンを振り回し、周囲の原生生物達をなぎ倒していった。
俺も愛用のアサルトライフルを手に、同じように敵となる生物たちを蜂の巣にしていった。
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