第1章

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「ハイヒール・キャット」       神空寿海  掃除をしていて出きた赤いフエルトを、母がゴミ袋に入れてるのを見つけた。  女子高手芸部の血が、お高いフエルトをみすみす捨ててしまうなど、見逃す事など出来るわけも無く、そそくさとゴミ袋から拾い部屋へとこもった。  表面がちょっと色あせてるけど、裏にしてしまえば判らないっと。  考えていたら、愛猫「ミウ」が不思議そうにこっちを見ながら、横切ってゆくのが目に付いた。  ピンと来た。針箱を引っ張り出して、数時間後には、くすんだフエルトが猫用の真っ赤で可愛い、ちっちゃなハイヒールになった。
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