第1章

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 「ミウちゃーん、こっちに、いらっしゃーい。」  無抵抗のミウを抱きかかえ、後ろ足に赤いフエルト製ハイヒールを履かせた。  かわいい!濃いグレーの毛並みに、真っ赤なハイヒール。ミウ、超似合うよ!  ミウも繁々と自分の足を見て、気に入ってる様じゃない?  と、思って見ていたら、始めは歩き難そうだったミウが全身の毛を逆立てて、目を大きく見開くと、すっくと二本足で立ち上がった。  「ミウ!」  「ミキコちゃん、ステキな真っ赤なハイヒールありがとう。柔らかくて、履き心地もバッチリよ。」  喋った。猫が喋った。ミウが喋った。しかも、二本足で立ってるじゃない。  何が起こって入るのか、理解に時間が掛かる、と、云うより理解不能。
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