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「信じて欲しい。
俺はお前からアイツを奪おうなんて、これっぽっちも思ってないし。
どうこうなろうなんて気は、さらさらないんだ。
翔がいやなら、俺はもう二度と菊池には近づかないし、話もしないから」
「誠哉……」
お前が話しかけなくなったら、昴はきっと寂しがるだろうな。
せっかく出来た男友達だったのに。
やっと心を開き始めていたのに。
「別に、そこまですることねぇよ」
俺の言葉に、誠哉がパッと顔を上げる。
「お前がこれ以上昴に何かするとは、到底思えないから」
お前のその誠実な態度を見ていたらわかる。
何度もメッセージをくれて、わざわざ俺の部屋にまで来て、こうして謝罪してくれているんだから……。
「俺が悪かったんだ。
俺から誘ったのに、昴をあんな時間まで待たせてしまったから。
アイツを一人にしてたら、マジで何があったかわからない。
そばで昴を守ってくれて、すげー感謝してる」
誠哉が悪いんじゃないんだ。
昴の熱が上がったのも、誠哉にそんな気を起こさせてしまったのも。
全部、俺の責任なんだ……。
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