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おばあちゃんが出かけると、急に静かになる我が家。
僕は久しぶりに見る翔に、胸がドキドキしていた。
「熱は下がったのか?」
「えっ? あぁ、うん。もう下がったよ。
び、びっくりしたよ。突然うちに来るから」
あのクリスマスイブの日以来、何の連絡も取り合っていない僕達。
それが突然こんな時間に来て、話があるだなんて。
一体、何を言われるんだろう。
もしかして、別れようって言われるのかな。
そうかもしれない。
わざわざこの時間に来たのは、年内にきっちりケリをつけるためなんだ。
どうしよう。
そんなの僕、耐えられないよ……!
「どうした? 泣きそうな顔して」
僕の顔を見て驚く翔。
「こ、怖くて……」
「怖い? 俺が?」
ゆったりとした口調で尋ねた翔に、僕はこくりと頷いた。
「どうして怖いんだ?」
「だって翔、怒ってるんでしょう?」
翔以外の人とキスをした僕。
そんなの、どんな理由があっても許せないよね?
しかも僕からは、それについて何の謝罪もしてないんだもの。
きっと、すごく怒っているはずだ。
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