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さっきまで夕日が見えていた窓からの景色も、今はもうすっかり漆黒の世界で。
ベッドの脇にあるこの間接照明だけが、僕らをほのかに照らしている。
既に上半身裸の僕達。
ベッドに横たわる僕に覆い被さり、翔が熱い視線で僕を見下ろしている。
その視線だけで、さっき愛された場所がピンと反応してしまう僕。
そのことに、翔は気づいているだろうか。
翔が、にっこり笑う。
今までに見たどんな時よりも優しく。
僕も微笑み返す。
こうして見つめ合っているだけで、どうしようもなく胸が高鳴って、涙が出そうになる。
だって。
ずっと、こんなふうに抱き合う日を待っていたから……。
本当は間違っているのかもしれない。
こんなこと、しちゃいけないのかもしれない。
でも、僕は翔が大好きで。
翔も僕を心から思ってくれていて。
今日しか、こうすることを許されないのなら。
僕は、僕の全てを翔にあげたい。
そして、翔の愛を全身で受け止めたい。
「昴……」
僕を呼ぶ翔の甘い声。
それだけで全身が痺れる。
もう、何も考えたくない。
翔だけ。
翔だけ感じさせて……。
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