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「ん……っ、ふ……っ」
何度も角度を変えて、繰り返し重なる唇。
ねっとりと絡み合うそれは、とろけるように甘く濃厚で。
僕は今までにないくらいに、翔のキスに酔いしれていた。
翔が僕に唇を重ねたまま、さっきの場所に指で触れる。
すでに張り詰めていたせいか、指を動かされるたびに、身体がビクッと反応してしまう。
「ほんと、敏感なんだな……」
唇を離した翔が言った。
「は、恥ずかしいから、あんまり言わないで」
それに、誰かと比べられているみたいで、ちょっと嫌だよ。
「いいじゃん。可愛い過ぎてやばいって意味だよ」
そう言うと翔は、僕の頬にチュッとキスをして。
今度は僕の顎を突き上げるように、首筋にキスを落とし始めた。
翔の唇が場所を移動するたびに、ハッと僕の短い息が漏れる。
「この辺りも弱いよな。特に耳とか……」
ピチャッと音を立てて、僕の耳たぶを唇で挟む翔。
僕は女の子みたいな高い声が出てしまって、パッと手の甲で自分の口を覆った。
「あー、またそうやって声我慢する」
「だ、だって……」
今みたいな声が、また出たら困るもん。
「せっかくの昴の声、聞き逃したくない。
だから、悪いけどこうする……」
そう言うと翔は、僕の両手首をベッドに押さえ付けて。
僕の手の動きを封じた。
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