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その後のことは、あまり覚えていない。
僕らが愛し合うための準備を、翔は着々と進めているようだったけど。
僕は翔から次々に与えられる快感に、羞恥に耐えながら身体をよじるだけで精一杯だった。
「昴……。苦しくないか?」
気がつけば、僕は翔と繋がっていて。
翔は、僕の頭を優しく撫でていた。
「痛くない?」
「……少し。でも、大丈夫だよ」
翔が入念にしてくれたから、想像していたより痛みはなかった。
「俺……、すげー嬉しい。ずっと昴とこうしたかったから」
そう言って優しく笑う翔。
「翔、僕もだよ……。すごく嬉しい……」
だって……。
もし僕が今日ここに来れなかったら、一度も繋がることなく別れなくちゃいけなかったんだもの。
だから、今翔とこうしていられることは、まるで奇跡みたいなことで。
感動で胸が震えてるよ。
今日で終わる恋だとわかっていたら、もっと早くこうなりたかった。
そうしたら、もっともっと翔と愛し合えたのに。
でも、これが最初で最後だから。
お願い……。
一生覚えていられるくらいに。
翔を僕に深く刻んで……。
「昴……」
翔は、せつなく僕の名前を呼ぶと。
「翔……っ」
僕を深く愛し始めた。
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