the last night

25/26
前へ
/326ページ
次へ
視界が揺らぐ。 さっきよりも、ずっと激しく。 翔の額から、汗の滴が飛び散って。 キラキラ光って綺麗だ。 「す、ばる……っ」 僕の名を呼ぶ翔。 僕は翔と繋いでいる手を、ぎゅっと握りしめた。 「どうしよう、翔……っ。 僕、おかしくなりそう……っ」 こんな狂いそうな快感、知らない。 翔の思うようにしてって言ったのに、すごく怖い。 「いいよ、昴。 俺に全部あずけろ。 どんな昴でも、受け止めてやるから」 翔の言葉にホッとした僕は、もう我を忘れて叫び続けた。 翔からも、熱い声が漏れている。 「翔……、好き……っ」 こんなにも人を好きになる恋は。 きっと一生ないと思う。 「俺も好きだ、昴……っ」 ありがとう。 こんなにも僕を好きになってくれて。 ありがとう。 愛しいという気持ちを教えてくれて。 翔……。 誰よりも大好きだよ……。 本当に 心から……。
/326ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1067人が本棚に入れています
本棚に追加