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「ごめん、突然押しかけて。
何度もLINE送ったんだけど、全然既読にならないから」
「あぁ、スマホ充電してねーんだ」
ずっと机の上に放り投げたままで、もう数日が過ぎた。
「まぁ、突っ立ってないで座れよ」
俺がそう言うと、誠哉は俺の勉強机の椅子に静かに腰を下ろした。
2メートルほどの距離を置いて、向い合っている俺達。
なんとも言えない重たい空気が、部屋中に漂っていた。
「さっき翼君が、翔がずっと寝込んでるって言ってた。
体調が悪いのか?」
「いや、別に……」
そう答えた後で、説得力がないよなと思った。
もう昼過ぎなのにまだスウェットを着ていて。
髪もボサボサで、さっきまでベッドに横になっていた形跡があるんだから。
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