今年最初のキスとハグを

7/20
前へ
/326ページ
次へ
「あの日も言ったけど、菊池は何も悪くないんだ。 高熱があって、意識が朦朧としていて。 俺をお前だと勘違いしてたんだ……」 それはわかっている。 あんな高い熱を出していた昴だし。 あの寒さのなか、何時間も俺を待ってくれていた昴が、自分からそんなことをするはずがない。 二人がキスをするようなことがあるとすれば。 きっかけは、誠哉しかいないって。 だけど……。 「なんで、よりによって昴なんだよ……」 「翔……」 「俺と付き合っている女に手を出したとか、そんなことなら別にどうでも良かった。 だけど、よりによって……。 なんで昴に手を出した……?」 俺がどれだけ昴を好きかわかっていて。 何よりも大事にしているってわかっていて。 お前だけは、ずっと俺達の仲を応援してくれていたのに。 なんで……? 「言い訳があるなら、 今ここで全部言ってみろよ!」
/326ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1066人が本棚に入れています
本棚に追加