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「あの日も言ったけど、菊池は何も悪くないんだ。
高熱があって、意識が朦朧としていて。
俺をお前だと勘違いしてたんだ……」
それはわかっている。
あんな高い熱を出していた昴だし。
あの寒さのなか、何時間も俺を待ってくれていた昴が、自分からそんなことをするはずがない。
二人がキスをするようなことがあるとすれば。
きっかけは、誠哉しかいないって。
だけど……。
「なんで、よりによって昴なんだよ……」
「翔……」
「俺と付き合っている女に手を出したとか、そんなことなら別にどうでも良かった。
だけど、よりによって……。
なんで昴に手を出した……?」
俺がどれだけ昴を好きかわかっていて。
何よりも大事にしているってわかっていて。
お前だけは、ずっと俺達の仲を応援してくれていたのに。
なんで……?
「言い訳があるなら、
今ここで全部言ってみろよ!」
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