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誠哉は俺よりも背が高くて、顔だって綺麗に整っていて。
近寄り難いところはあっても、女からの人気は高い。
誠哉さえ本気になれば、いつだって彼女を作れたはずだ。
だけど、誠哉をその気にさせる女がなかなか現れなくて、17年間彼女無しを貫いていた。
別に欲しいとも思っていなかったんだろう。
そんな誠哉がなぜ女ではなく、男にキスをしたんだろう。
ましてや、俺の恋人に……。
「お前……、ゲイだったのか……?」
以前、同じことをお前に聞かれた。
「いや、それはない……」
そして、俺もそう答えた。
だとすれば、答えは一つしかないんだけど。
お前は、どう答えるだろうか……。
「じゃあお前は、昴が好きなのか……?」
出会った当初は、どちらかと言うと嫌っていたんじゃないかと思う。
でもこの頃は昴の性格を知ったからか、よく気にかけてくれていた。
昴は昴で、誠哉に気を許すようになったし、二人は随分仲が良くなった。
それに関しては、俺は喜ばしいことだと思っていた。
だけど……。
「いや……。
俺は菊池に対して、
友達以上の感情はない……」
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