またまた嵐が来そうです

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 がっしり肩をホールドしてくるその手を見て、離してくれる気はないんだな、と思いながら、 「いえ。  やっぱり、この家は華さんの家だな、と思って」 と動揺していたので、心のままに言ってしまった。  向井は目を伏せ、……そうか、と言った。  彼にも思うところはあったようだが、 「杏」 と真剣な顔で呼びかけてくると、 「もう嵐は西からおさまって来ている。  早くしろ」 と言ってきた。  いや、なにを? と思っている間に、部屋の明かりを消されていた。
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