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「なんでだよ。
僕、結局、なにもしてないじゃない。
いいことしたの、父さんだけだよ。
なんだよ。
窓から入ってくるなんて、何処の王子様だよ」
と文句を言っている。
……何故、それを知っている、律、と杏は固まる。
「でも、今回、よくわかったよ。
杏さんはひとでなしで鬼畜な人が好きなんだよ。
だからさ。
僕も頑張って、好きな人が嫌がっても無理強い出来る大人になるよ」
そう律は素敵な笑顔で言ってくる。
父親の悪いところを見習わないで欲しいし。
そういうところが好きなんじゃないんだけど、と思ってはいたが、確かに、自分の性格では、あのくらい強引に押してきてくれなければ、なにも進まないのかなとは思っていた。
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