今日も電車は走っています……

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「なんでだよ。  僕、結局、なにもしてないじゃない。  いいことしたの、父さんだけだよ。  なんだよ。  窓から入ってくるなんて、何処の王子様だよ」 と文句を言っている。  ……何故、それを知っている、律、と杏は固まる。 「でも、今回、よくわかったよ。  杏さんはひとでなしで鬼畜な人が好きなんだよ。  だからさ。  僕も頑張って、好きな人が嫌がっても無理強い出来る大人になるよ」  そう律は素敵な笑顔で言ってくる。  父親の悪いところを見習わないで欲しいし。  そういうところが好きなんじゃないんだけど、と思ってはいたが、確かに、自分の性格では、あのくらい強引に押してきてくれなければ、なにも進まないのかなとは思っていた。
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