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お昼には向井も出て来たので、杏は向井と一緒に社食で食べていた。
別棟になっている社食の窓近くの席だ。
突然、向井が言い出した。
「あの家を手放そうかと思う」
「えっ?
なんでですか?」
いや、あれから考えたんだ、とこちらを見て向井は言った。
「確かに。
華の住んでいた家にお前も住めというのは酷かなと思って」
どうせ、律もいずれ出て行くだろうと向井は言うが、
「とりあえずは、出て行かないみたいですよ」
と言うと、
「そうだな。
大学もどうやら、うちから通えるようだ」
と言う。
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