今日も電車は走っています……

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 聞いてみると、希望しているのは、近くの有名大学のようだった。  さすが律。  あのルックスで一流大学。  ……もてるだろうな。  今、以上に、と思う。  そしたら、おかしなことも言わなくなるかな、とちょっと楽観的なことを考えていた。 「おうち、そのままにしておいてあげてください。  律くんにとっては、ご家族で過ごした大切な思い出のある場所です。  私は大丈夫です。  律くんと課長がお嫌でないのなら」  ……そうだな、と言った向井は、こちらを見つめ、 「俺にとっては、あそこはもう、お前との思い出もある場所だ」 と言ってきた。  なんとなく照れて俯いてしまう。  確かにそうだ。  初めて向井と想いを交わし合えたのも、あの家だし。
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