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聞いてみると、希望しているのは、近くの有名大学のようだった。
さすが律。
あのルックスで一流大学。
……もてるだろうな。
今、以上に、と思う。
そしたら、おかしなことも言わなくなるかな、とちょっと楽観的なことを考えていた。
「おうち、そのままにしておいてあげてください。
律くんにとっては、ご家族で過ごした大切な思い出のある場所です。
私は大丈夫です。
律くんと課長がお嫌でないのなら」
……そうだな、と言った向井は、こちらを見つめ、
「俺にとっては、あそこはもう、お前との思い出もある場所だ」
と言ってきた。
なんとなく照れて俯いてしまう。
確かにそうだ。
初めて向井と想いを交わし合えたのも、あの家だし。
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