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照れながら杏は、
「公園で付き合って別れたからって、公園、ブルトーザーで壊すわけにはいかないのと同じですよね」
と言って、
「待て。
それは立ち寄らなきゃいいだけの話じゃないのか」
と言われてしまう。
そのとき、誰かが反対側の窓の方で騒ぎ出した。
「ああ、あれだよ、あれ。
オハヨウっていう烏。
ほら、テレビに出てたじゃん。
左羽根に赤い塗料がちょっと付いてる」
あ、ほんとだ、とみんな反対側の窓を見ていた。
へえ、と杏もそちらを振り返り、身を乗り出そうとしたが、向井が、
「杏」
と呼びかけてきた。
はい? と振り返ると、少し腰を浮かした向井に、軽くキスされる。
しゃ、社食ですけどーっ!?
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