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『昨日、小学四年生の○○さんが帰ってこないとの通報があり、未だ見つかっていません。○○さんは‥‥‥』
一人、薄暗い部屋で履歴書を書いていると、テレビからアナウンサーの声がふと耳に入った。
ーー「誘拐」だろうな。
この類のニュースを聞くと、すぐにその二文字が頭に浮かぶようになった。
男という性別に生まれたおかげで、そういうことにはあまり気を付ける必要も無かったが、女性にとっては日々恐怖なものだろう。
そう他人事のように考えながら、コップを口元に運ぶと、いつの間にか空になっていたことにようやく気が付いた。
何か飲み物は無いかと冷蔵庫までやってきたが、何故か空のペットボトルが冷やされており、おまけに冷蔵庫も空、カップ麺の一つもないことを知り絶望した。
しまった‥‥‥この時間だとコンビニしか開いていないじゃないか。
できれば、あそこには戻りたくはなかったのに。
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