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「はい、メイドカフェ・ダッハボーデンです」
「もしもし、柴田ですが雪菜店長ですか?」
「あ、教授! お久しぶり。来てくれないから忘れちゃうとこだったよ」
「すいません、研究が忙しかったもので。ところでその研究の事で相談があるのですが」
「えぇ?、研究って、AIを作ってるんだよね? 私なんかに相談しても意味なくない?」
「いえ、雪菜店長にしか相談できないというか、お願いなのですが。私達が開発しているAIを、ダッハボーデンに置いていただけないでしょうか。お客さんと話をしてもらって、会話の学習をさせたいのです」
「そういうことか。そういうの好きそうなご主人様は多そうだから、面白いかもだけど。具体的にはどういうものなの?」
「パソコンとWEBカメラ、マイク、もしくはヘッドセットですね。あとはネット回線を使用させていただけばと」
「それなら、カウンターの一席で対応できるね」
「置いていただけますか」
「うーん、でもなんか面白くないなぁ。……そうだ教授! 等身大ドールとお話してるみたいにできない?」
「等身大ドール、ですか?」
「その方がみんな話しかけてくれると思うよ! ドールはタイアップ企画ってことで借りられないか、近くのドール屋さんに聞いてみるよ」
「なかなか興味深いアイディアですね。カメラは瞳の奥に仕込むとして、PCを設置する場所が確保できれば後はどうにかなるでしょう」
「じゃあそれで! 『AIメイドさんとお喋りしよう』イベントの開催だね」
「ありがとうございます。期間は2ヶ月ほどを予定しています。近々お伺いしますので、詳細はそこでまた」
「これからは研究費を使ってウチに通い放題だね!」
「勘弁してください……」
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