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メールを見て気が動転したが、1回深呼吸をして立ち上がった。
「急用できちゃった、ゴメンなさい、今度埋め合わせするから…」
そう言って部屋を出たら、そこに山田君が立っていた。
「山田君、ゴメンなさい」
「大丈夫だよ、ここからは僕がやるから、さあ、急いで…」
「うん、ありがとう、じゃ、また今度」
山田君は寂しそうに黙ったまま手を振った。そして部屋の中に入っていった。
玄関の方に走る私の背後でみんなの叫び声がした。驚きの歓声というより、
私には恐怖に慄く悲鳴のように聞こえたが、急いでいた私は気に留めることすら
なかった。
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